気温が低く、乾燥する冬。肌にとっては1年で最もシビアな季節です。かさつく、ハリがない、キメが乱れる、透明感がない…冬の肌は、悩みのオンパレード。
冬の肌悩みの原因を知り、スキンケアの基本をおさらいしましょう。
冬の肌リズム
肌状態は、1年の気候の変化に伴い、大きく変動します。
冬の肌トラブルは、気温と湿度の低下によって引き起こされます。特に11月~1月にかけて、気温や湿度は急激に低下します(図1)。冬は肌の水分量が減少している、つまり、乾燥しているため、お肌へ充分にローションを浸透させ、クリームで薄くベールを作る保湿・保護が大切です。
血流低下が新陳代謝の低下を招く冬
冬は、肌の新陳代謝が低下することから、ハリがない、キメが乱れる、透明感がないといった肌状態になりがちです。冬の肌の新陳代謝が落ちる最大の原因が、末梢血流の低下です。夏は体を冷やすために、皮膚表面の血流を増やし、汗をかいて熱を放出しようとします。しかし、冬は気温の低下と共に体温も下がらないようにエネルギーを燃やし、体温を維持しようとします。
さらに皮膚の表面や手足の末端部分は、体温を奪われないように、血流を調節します。その結果、肌細胞の新陳代謝が低下するのです。
新陳代謝が低下すると、ターンオーバーのリズムが乱れ肌のバリア機能を生み出す角層に影響をおよぼします。つまり、皮脂の分泌量が減り、肌から水分が逃げやすくなるため、ますます肌のバリア機能は低下、危機的状態になってしまうのです。
乾燥に要注意!
肌を取り巻く環境で、最も注意を要するのが湿度の低下。つまり、「乾燥」です。
1931年から2016年にかけて大都市(東京)における湿度は低下の傾向にあります。
1年の中で特に湿度が低いのは、12月から2月にかけてです。この時期は、保湿の完全装備が必要です。一般的に「湿度」といわれるのは、「相対湿度」を指します。1立方メートルの空気中の水分量(絶対湿度)を、空気中に含むことができる最大の水分量(飽和水蒸気量)で除した数値を「相対湿度」といいます。
飽和水蒸気量は気温によって変動し、温度が上がると大きくなります。もともと水分量が少ない場所で、空気だけが暖められると、相対的に水分量が減少します。
たとえば室温が10℃で相対湿度が50%の部屋を暖房で暖めて25℃にすると、相対湿度は半分以下の20%になってしまい、肌の水分はどんどん失われていくのです。
暖房をしている室内は、特に肌の乾燥に注意しましょう。
冬のスキンケアの基本は、1にローション(保湿)、2にクリーム(保護)
気温も湿度も低下する、そんな季節こそ、スキンケアの基本を見直しましょう。
保湿剤には大きく分けてローションのようにお肌にうるおいを与えるもの(モイスチャー効果)と、クリームのようにお肌を保護するもの(エモリエント効果)があります。
まずはじめに浸透力の優れたローションをたっぷり使い、その上からふたをするようにクリームを使うステップでスキンケアをすると、より効果的です。(図4)
また、ただうるおいを補うだけのスキンケアではなく、うるおいをしっかり抱え込む働きを持つセラミド配合のアイテムを使うと、肌のバリア機能が整い、すこやかな肌へ導かれます。
さらに、いつものスキンケアと一緒に美容効果の高いアイテムなどを追加するのもよいでしょう。